∴コラム 「インブルームLLPのつくり方」 (Vol.3)   2005年7月24日(日)
今日は日曜日である。メンバー同士のメールのやりとりも小休止。
おかげで、めずらしく家族と穏やかな昼下がりを過ごす事ができた。
とは言っても、休んでばかりもいられない。
少しでも今後の負担を減らすため、明日からの手続きに備えて、現段階での必要資料を棚卸ししてみなければ。

というのも、私をはじめインブルームのメンバーは、各自法人及び個人事務所を経営していて、そうそうLLP設立のことばかりにかまけてはいられないのだ。
自分の事務所の業務に支障をきたすようなことがあっては、クライアント様に合わせる顔がない。
忙しいのは承知の上で始めたことだ。ここが踏ん張りどころである。

ちなみに、LLP組合員は全員「個人」である。
組合員に「法人」がいる場合に比べて、必要書類が少なくてちょっと助かる。



【現在のところ、登記に必要な資料】

1. 登記申請書
2. 別紙(OCR用紙)
3. 有限責任事業組合契約書
4. 印鑑証明書(メンバー全員分)
5. 出資の払い込みを証する書面
6. 預金通帳の写し(今のところ必要かどうか不明)
7. 登録免許税 6万円
8. 印鑑届書


【注意事項】

→1、2、5には登記申請を担当する山田真哉の実印が必要である。

→3には組合員である6人全員の実印が必要である。

→8にはインブルームLLPの実印(通常、代表取締役之印と書いてあるところは、業務執行組合員之印とした)と登記申請を担当する山田真哉の実印が必要だ。

→4は有限責任事業組合契約書をつくる都合もあるため、できるだけ早めに用意しておく必要がある(契約書やOCR用紙に組合員の氏名や住所等を記載する必要があるため)。

→7については、1番乗りを目指すため、事前に用意しておく必要がある(8月1日朝、印紙売り場でもたもたしている間に、先を越されないため)。

→最後に6については、今のところ必要かどうか分からないが、もし必要となった場合に備えて、出資金を銀行に払込んでおく必要がある。なお、メンバーが預金口座に 振り込む時は、必ず自分の名前が印字されるようにする。



う〜ん、順調だ。これなら間に合わない筈はない(と言っても、誰が有限責任事業組合契約書をつくるかすら決まっていないのだが…)。

「…んっ! 待てよっ!?」
突然、契約締結日を27日にすべき(29日を予定していた)だと気づく。
これは、LLPの設立手続のフローが、『組合員による組合契約の作成→出資金の払込み』、という順番だからである。
「29日(夜しか集まれない)が組合契約締結日だとすると、翌30日は土曜日じゃないか!!」     
つまり、出資金の払込みができず、上記6の預金通帳の写しが用意できなくなってしまう。
最悪の場合、資料が揃わない可能性がある。

「うむ〜……どうするべきか…………ひ、ひらめいた!!」


7月27日 類似商号調査と目的相談、完成した「有限責任事業組合契約書」を、担当者がメンバー全員に送信し、内容を確認(契約締結)する
       ↓
7月28日 出資金の払込
       ↓
7月29日 押印及び創立総会(発起人会)、申請書類作成
       ↓
8月1日  登記申請

という流れにしようと1人納得する。一件落着。


話は変わるが、インブルームフォーサイトを7月19日に開設した。
(『図解 山田真哉の 結構使える!つまみ食い「新会社法」』の発売に間に合う様に)

フォーサイトの問い合わせ窓口に、7月22日頃から「有限責任事業組合設立について、メリット・デメリット、立上げ時のノウハウを 伺いたい」、との問い合わせがチラホラと入り始める。
ただし、LLP法自体が8月1日より施行されるので、まずは自分達が実験台になり、ノウハウを得てからのサービスとするつもりである。

さてと、明日、印鑑証明書を取りに行かなくては。

(宮崎 剛)

※ 第4回目以降は、現在販売中の「LLP設立キット」にてお読みいただけます


 ∴コラム 「インブルームLLPのつくり方」 (Vol.2)   2005年7月23日(土)
今日は千葉県北西部を震源とした大きな地震があった。
「インブルームLLPを立ち上げる前にお陀仏か!?」
一瞬そう思ったが、今もこうして元気に原稿を書いているのだからありがたい。

さて、今日から「インブルームLLP」をつくる為の、具体的な手続きに入る。
まずは事業目的の確定だ。

夕方に、パートナーの緒方美樹から事業目的のドラフトが届く。(7/23 16:23)
■インブルームLLPの事業目的(ドラフト)■
1.インターネットを利用した各種情報提供サービス
2.出版物の企画、発行、販売
3.経営、会計、税務に関する各種セミナーの企画、開催
4.経営コンサルタント業
5.広告代理業
6.前各号に附帯する一切の業務


これに対し、メンバーからいくつかの追加依頼が入る。
【山田真哉より】
もしよければ、
「2.出版物の企画、発行、販売」に「執筆」を加えて、「2.出版物の企画、執筆、発行、販売」
とすることは可能でしょうか?(7/23 16:49)

【長江博仁より】
「WEBサイトの企画、制作」
といった目的を加えても良いかと思います。(7/23 16:52)

【木村聡子より】
「私も異議なしです」(7/23 17:13)

【吉田学より】
「事業目的は、異議なしでございます」(7/23 22:30)


うむ〜、これは負けられん!(勝ち負けの問題ではないのだが…)
他のメンバーに負けじと、私も追加依頼を試みる。
【宮崎剛の依頼】
「キャラクターグッズの企画・製造・販売」(7/24 1:39)


『図解 山田真哉の 結構使える!つまみ食い「新会社法」』に登場する「会社レンジャー」の商品化を睨んでの行動だ。
素晴らしい、我ながら素晴らしいアイデアだ!
先見の明がある、自我自賛だ!!

しかし、結果は敢えなく撃沈。
「出版物以外の物販は、検討します」(7/24 8:13)
との返信。さらりと流される……。
というわけで、熱い議論が戦わされた結果、インブルームLLPの事業目的は以下のように決まった。

■インブルームLLP事業目的(法務局相談前仮確定)■
1.インターネットを利用した各種情報提供サービス
2.出版物の企画、発行、販売
3.経営、会計、税務に関する各種セミナーの企画、開催
4.経営コンサルタント業
5.インターネット上のウェブサイトの企画、制作
6.広告代理業
7.前各号に附帯する一切の業務


「まぁ、事業目的も決まり、一歩前進したのだから良しとするか!」
私は気を取り直し、〆切りがさし迫った原稿に取り掛かるのであった。

ちなみに、「インブルーム」という名前だが、英語で『花開く』という意味がある。
起業家、経営者の皆様のビジネスが成功する(=花開く)様なサービスを提供できたら、という思いが込められている。
う〜ん、いいネーミングである。
またもや、自我自賛!!

(宮崎 剛)


 ∴コラム 「インブルームLLPのつくり方」 (Vol.1)   2005年7月22日(金)
「えっ、8月1日ですか!?」
ディレクターの山田真哉からLLP法の施行日が、急遽8月1日に決まったとの連絡が入った。
「確かに、早ければ8月1日とは聞いてはいたが、まさか本当に間に合うとは……」
私は絶句した。
というのも、去る7月7日に、経済産業省の方々とミーティングをさせていただいた折のニュアンスでは、8月1日の施行は難しいだろう、という感じだったのだ。
しかし、そこはエリート集団。きっちりと仕事をあげてきた。

「LLPを国民にとって使いやすい制度にしたい!」
とおっしゃっていた彼等の情熱とプライドに感服せざるを得ない。
一方、日本におけるLLP設立第1号を目指しているインブルームのメンバーにとってみれば、晴天の霹靂、目から鱗である。いやっ、寝耳に水である。

メンバー全員が、「LLP法の施行は早くても8月中旬から下旬にかけてだろう」と高をくくっていた。
これはマズイ。ものすごくマズイ。
とりあえず我々は、7月22日のミーティングにて以下のスケジュールを決めた。

■LLP設立までのスケジュール■

7/23〜25…LLPの事業目的の確定

7/25…届出印(『インブルーム有限責任事業組合 業務執行組合員之印』)の作成依頼
     各自出資金額の確定
                
7/27…類似商号調査と目的相談

7/28…出資金の払込

7/29…発起人会、LLP契約書作成及び記名押印

7/30・31…申請書類作成

8/1・・・登記申請 


完璧だ。
完璧だが、出資金の払込方法が分からない。
出資金払込保管証明書は必要ないにせよ、金融機関に出資金を払込む必要はあるのか?
あぁ、法務省令の公表が待ち遠しい…。

ちなみに7月22日は、奇しくも『図解 山田真哉の 結構使える!つまみ食い「新会社法」』の発売日であった。
もっとも、「奇しくも」と思っているのは私だけかもしれないが…。

(宮崎 剛)